新卒で日本語教師として働こうか迷っている人向けです。

新卒で日本語教師になろうか迷っている。給料が安いとも言われてるし、就職活動は一般企業とどちらがいいのかな。
大学や大学院で日本語課程を修了したり、学生の間に日本教師養成学校の修了や日本語教育能力検定試験に合格した方もいらっしゃるでしょう。
実際にネットでは、下記のような意見が見つかりました。
私は高校生のころに日本語教師になりたいと思い、大学では日本語学、日本語教育学を学んできました。 しかし、お恥ずかしい話なのですがいざ将来を本格的に考えるとなったときに安定性のなさから新卒でいきなり日本語教師になるのは危険だと判断しました。
引用:Yahoo!JAPANしごとカタログ
学生の間に日本で日本語ボランティアをされて、日本語教師を目指される方もいます。ただ、日本語教師にならずに一般企業に就職される方もおられます。
では、新卒で日本語学校に就職やめるべきなのでしょうか。
そこで、このコラムでは新卒で日本語教師として働くべきかどうかを紹介します。
日本語教師は新卒で就職はやめるべき?


個人的な意見にはなりますが、日本語教師は新卒で就職はしないほうがいいと思います。なかには人生が終わると表現される方もいますね。。。
日本語教師の経験がある私としてはなってほしいのですが、現状で日本語を教えるというモチベーションよりも収入面での不安が勝ります。
最初に紹介した意見でも、安定性のなさを指摘されていました。どうしても将来的なことを考えると、就職するのはためらってしまいますよね。
では、日本語教師は新卒でなくてもいいのでしょうか。次に、その理由を紹介します。
日本語教師は新卒でなくてもいい理由


- 勤続年数に応じて年収が上がりにくい
- 一般的な社会人経験があった方がいい
- 現在、活躍している教師は40代~50代
勤続年数に応じて年収が上がりにくい
下記は、文化庁による「日本語教師の資格創設にかかる状況調査」の結果報告です。


赤枠で囲った年収200万円~500万円の分布で全体の約7割を占めています。
さらに、勤続年数が多いからといって、年収が500万円まで頭打ちになっていることが分かると思います。
新卒の時には年収に不満を感じにくいですが、これが年数を重ねていくと他の業種との差が開いてくることに何かを感じてくるでしょう。
一般的な社会人経験があった方がいい
日本で日本語を学ぶ生徒は留学生もいますが、多くは就労目的の技能実習生です。より就職できるような会社での立ち振る舞いや話し方が必要とされています。
もちろん新卒で日本語学校で働いていても身につくものもありますが、それは一般企業と違いが出ます。
そのため、日本語を教えるなら多少なりとも社会人経験があったほうがいいでしょう。
現在、活躍している教師は40代~50代
現在、日本語教師として活躍しているのは40代~50代です。つまり、若くして日本語教師にならなくても、将来的に就職できる可能性が高いことを意味しています。
40代や50代ともなれば、女性なら子どもができて手が離れる時期ですし、会社員ならセカンドステージに入るかどうか。
そのような時に日本語教師の資格さえあれば、就職しやすいのも日本語教育業界の利点です。
日本語教師を新卒でなるときの考え方


これまでに日本語教師は新卒でならなくてもいいという理由を紹介しましたが、それでも収入などの安定よりも”日本語を教える”という喜びを得たいと方もいらっしゃると思います。
もし、新卒で日本語教師になるなら知っておきたいことは下記のとおりです。
- 一般的な企業への転職は難しくなる
- 会社員というよりも自営業と考える
- スキルがあれば海外でも働きやすい
一般的な企業への転職は難しくなる
教員と呼ばれる職業は一般的な企業での経験ではないことも多いので、もし一般的な企業へ転職する際にはネックになることもあります。
ただ、年齢が若いうちなら転職理由をしっかり持っていれば就職もしやすいので、万が一のことを考えて心の準備はしておくべきでしょう。
会社員というよりも自営業と考える
日本語学校に就職すれば会社員ですが、そこは小規模の学校も多いので、そこは自分で知識やスキルを常に身に付けるという意識が大切です。
そういう意味では自営業として、自分だけで日本語教師として食べていけるようにスキルを磨くのがおすすめです。
スキルがあれば海外でも働きやすい
もし日本語教師としての経験があれば、海外の日本語学校などで働くのも方法のひとつです。
特に、海外では日本語教師が不足気味なので、より経験がある人なら海外生活も夢ではありません。これは一般的な会社では難しいことなので、日本語教師ならではでしょう。
日本語教師になるためのよくある質問


- 日本語教師は海外で働くことはできる?
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もちろん、海外で日本語教師として働くことができます。特に、直接法(日本語を日本語で教える)なら現地での言語力もそれほど必要ではありません。
ただ、国や地域によっては物価が安く給料も安くなります。
- 日本語教師で年収1000万は無理?
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結論から言うと年収1000万円は無理ではありません。ただ、多くの場合は大学や大学院で教員をされている方、経営をされている方がほとんどだと思います。
- 日本語教師の国家資格はなくなる?
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日本語教師の国家資格は一時期、なくなるという話もでましたが、現在も進行中です。名称も公認日本語教師から登録日本語教員(仮)へと変更されています。
ただ、日本語教師は公務員ではないので、日本語を教えるのに必ず取得しないといけないわけではありません。
なお、別コラムの日本語教師はいつから国家資格に?でお伝えしています。
まとめ
このコラムでは「【日本語教師は新卒で就職はやめるべき?】就職活動の考え方」を紹介しました。
日本語教師は新卒でならないほうがいい、と最初にお伝えしましたが、もちろん魅力がある職業なのには違いがありません。
要は、将来どのような日本語教師になりたいのかを含めて、現状のリスクも考慮して、新卒でなるかどうかを決めましょう。
日本語教師には焦らずならなくても、一般企業で社会人経験が積んでからでもなれる可能性は十分にあるのも魅力ですね。