海外で日本語教師として働けるかを知りたい人向けです。
今回は、特別に韓国の大学で日本語教師をされていた先生へのインタビューをお届けしたいと思います。
インタビューさせていただいた先生は、大学で日本語教育に関する講座を受講しており、縁があって韓国で日本語教師をすることになりました。
どのようにして韓国で日本語教師の仕事を見つけたのでしょうか?
では、韓国で働くことができた経緯や授業内容、給料について根ほり葉ほり聞いてきました。
そこで、今回は「【韓国で日本語教師】給料は?大学で教えるには?聞いてみた!」をご紹介します。
目次
なぜ韓国で日本語教師をされたのですか?

学生として韓国に渡航して大学付属の韓国語講座に通いながら、知り合いの紹介で学院(語学学校)でアルバイトを始めました。



その後、大学院に進学し、修士課程を卒業しました。その後大学での専任講師の募集に応募して採用され、現在まで勤務しています。



韓国で日本語教師として働くには、E2ビザと呼ばれる労働ビザが必要だそうですね。しかも、4大卒ではないと認められないとか。



そうですね。非常勤はビザが発行されないため、大学院在学中か、こちらで結婚して居住ビザを持っている方が採用されています。



もし韓国の大学で働くなら、日本国内の大学院進学の際に韓国国内の大学と提携しているかも重要かもしれません。



日本も同様ですが、採用されるのは教授の紹介などが多いです。戦略的に進学をしないと韓国の大学で働くのは難しいかもしれませんね。
韓国ではE2ビザと呼ばれる4大卒が最低条件の労働ビザを取得できるかが重要です。
韓国での授業はどうでしたか?



韓国の大学の授業は1コマ50分で、1科目が週に2~3コマです。2コマの場合は、50分講義の後、10分の休憩を挟むのが普通でした。



ただ、兵役もあり、休学するのに別途費用が掛からないため、休学する人の割合が多いです。そのためか、通年でははなく、すべて1学期で完結します。



韓国は兵役も影響するんですね。



韓国はITが進んでいるので、講義はパワーポイントを使って行います。教室に黒板はなく、ホワイトボードもない教室もあります。最近は、オンライン授業も多いですよ。



教材は日本で発行されている教材を使う人が多いですが、教科書は「みんなの日本語」を使った基本的な授業のみで、日本人教師は会話部分を担当していました。



海外では文法は現地の人、会話は日本人というスタイルが多いですね。



常勤で働く日本人教師は少ないので、どうしてもそのようなスタイルになるかもしれません。



学生さんが日本語を学ぶ主な理由は何ですか?技能実習生が目的ではないようは気がしますが。



大学で日本語を専攻する学生の95%が、アニメやJ-POP、ドラマなどを通して日本に興味を持ち、日本語を勉強したという理由です。大学まで来て専攻するのは、日本に行って住んでみたい、留学したいと思っているからだと思います。



他専攻の学生で日本語を勉強している学生もアニメなどが好きで、専攻にはしなかったけど、日本文化と日本が好きで言葉も上手になりたいという学生が多いですね。英語ができない生徒が第二外国語として日本語を選択する人もいますよ。



アニメやJ-POP、ドラマなどで日本語に興味を持つのは意外でした。
韓国はITが進んでいるので、発展途上国のような紙ベースでなさそうです。オンライン授業も進んでいるので慣れておく必要がありそうですね。
韓国での給与や待遇はどうでしたか?



常勤は年俸制の契約職です。1年または2年ごとに契約を更新して勤務を続けていきます。



1週間の授業数は12コマで、それ以上の授業を担当することもあります。大学なので、それほど1日のコマ数は多くないかもしれませんね。給料は安いので、聞かないでください(笑)



相対的に見て韓国人の教授との待遇の差が大きすぎる(給料が1/3~1/4)ため、やる気をなくして他の国に行く人も多いです。



ただ、年俸制なので大学が休みでも給料が支払われるので、安心して生活ができました。



意外と大学でも給与が高くないんですね。待遇はどうでしたか?



就業コマ数が決まっていて、規定を超えると手当が付きます。その他には、住宅手当が付くのが一般的です。ただ、私が働ている大学は、学校の許可なしに校外で講義をすることは禁じられています。副業ができないのがつらいです。
海外では日本語教師として働く場合は、コマ給以外にも月給制、年俸制とさまざまですね。
韓国で働く場合の注意点はありますか?



韓国は突然いろんなことが決まってすぐに実行されることが多いので、前もって準備する習慣のある日本人は振り回されることが多いです。



特に、韓国は若い女性の先生は学生に舐められることもあるので、少し厳しいくらいでちょうどいいかもしれません(笑)。



確かに受験競争が激しいと聞くので、のんびりした感じではなさそうですね。



あとは、私が始めたころは修士号があれば大学で採用されましたが、最近は博士号は必須のようです。採用人数も限られていますし、韓国語ができないと採用されにくいかもしれません。



韓国語ができないと採用されにくいのは困りますね。



意外と民間の日本語学校でも韓国語を話せる人を優先的に雇用する傾向があるようです。最近は韓国語を勉強している人が多いからもしれません。「コネスト」という日本人向けのサイトで求人がよく掲載されています。



最近では日本の就職指導を求められるため、日本での企業勤務経験(特にIT企業)が重視される傾向にあります。



コネストを見てみましたが、「求人 日本語教師」で最新情報にすると求人が見つかりますね。



ただ、食べ物は日本人の口にも会いますし、距離も近いため、日本語教師としてデビューし、海外勤務を試してみたい方には日本人学校での短期の勤務はいい経験になると思います。
海外では現地の言語レベルを求められないことが多いですが、韓国では、韓国語を話せるかどうかも重要なポイントです。
韓国で働く日本語教師にインタービューまとめ
今回のコラムでは「【大学で教えるには?】韓国で働く日本語教師にインタビュー」をご紹介しました。
先生は韓国の大学で日本語教師として現在も教えている方なので、より実体験をうかがうことができました。
韓国で日本語教師として働くには、E-2労働ビザの取得をどうするのかや、韓国語が話せるかどうかもポイントのようです。
ただ、距離的にも近く韓国は旅行先として馴染みが深いので、海外就職を考えている人には選択肢のひとつなのではないでしょうか。
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